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2006-05-12 23:15

国民の裁きにより断罪されるべき東條英機の責任

山岡 正  ジャーナリスト
 「歴史に関する、ことのメリハリ」と題する、昨年11月16日付け「JFIRコラム」のなかで、石原慎太郎氏は「私はA級戦犯の合祀には異議がある。合祀の是非が論じられる時必ず、彼等を裁いた極東軍事法廷なるものの正当性が云々されるが、我々はそれにかまけて最も大切な問題を糊塗してしまったのではなかろうか。それはあの国際裁判とは別に、この国にあの多くの犠牲をもたらした戦争遂行の責任を、一体誰と誰が問われるべきなのかということが、棚上げされてしまったとしかいいようない」と説いておられる。

 歴史とか、戦争責任については、いまでも日本人は、形を変えた東京裁判のなかで、それに反論する形でしか、その問題を議論しようとしていない。中国や韓国の非難、譴責に対して、それに反論する形でしか、この問題を論じようとしていない。どうして、なぜ自分たちの問題としてこの問題を考えようとしないのか。

 昭和16年9月6日の御前会議で昭和天皇が「よもの海みなはらからと思う世になど波風のたちさわぐらむ」と平和への希求を言葉にしたことは広く知られている。この天皇のご意思を背に、近衛首相が10月12日に陸・海・外3相を「荻外荘」に集めて行なった会談こそは、真に日本と日本国民のその後の運命を決した瞬間であったと考えるが、そこで首・海・外3相が中国撤兵による対米交渉妥結を東條陸相に迫ったのに対し、一人激しく反発し、会談を決裂させたのが、東條陸相であった。このあと近衛内閣は総辞職し、東條内閣が登場した。それが開戦へのまっしぐらの道であったことは、もはや証明する必要はない。東條英機こそは、日本史上空前絶後の被害を国家と国民に与えた主犯であり、その加害者としての責任は国民の裁きによって断罪されるべきものである。少なくともそのことを、私はここで確認したいと思う。
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