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2009-04-12 16:14

(連載)韓国における弾道ミサイル能力拡大の動き(1)

神浦 元彰   軍事ジャーナリスト
 韓国の国会は4月5日から3日間、北朝鮮のミサイル発射問題を集中的に審議した。その審議のなかで、韓国による射程300キロ以上の弾道ミサイルの開発を禁じた「米韓ミサイル指針」が、与野党双方から批判された。米国は、北朝鮮との過度な緊張を避けたいため、韓国のミサイル開発に厳しい規制を課していたのである。

 韓昇珠首相は答弁で「米韓ミサイル指針」の見直しを米側に働きかける可能性に触れた発言をした。李国防相も「我々もミサイル能力を拡大しなければいけない」と答弁した。韓国は1990年に、米国からミサイル技術の提供を受ける代わりに、自国が開発する弾道ミサイルの射程をソウル・平壌間の距離に相当する180キロ以内に制限する米国との覚え書きに調印した。

 その後、北朝鮮によるノドンやテポドンの開発で韓国に不満が高まると、米韓は2001年、韓国がミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に参加することを条件に、射程300キロまでの開発を認める「米韓ミサイル指針」を結んだ。このため、韓国軍が現在数百発保有する弾道ミサイル「玄武」の射程は300キロ以下で、北朝鮮全体を射程に収めることができないでいる。

 米国に開発の手足を縛れた形の韓国を横目に、北朝鮮はイランやパキスタンなどと協力して開発を続けてきた。韓国科学技術政策院の李春根研究委員は、こうした国々の技術力について「産業衛星は難しいが、長距離弾道ミサイルを発射する力は十分にある」と語った。(つづく)
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