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2009-04-08 22:41

みのもんたの「北方領土を買ったらどうか」 発言は言語道断

中村 聡  会社役員
 TBSテレビの「みのもんたの朝ズバッ!」という番組の今月7日朝の放送の中で、司会を務めるみのもんたが「ロシア経済が疲弊している。北方領土を買ったらどうか」という発言を行った。各新聞が一斉に報じている。北方領土問題の歴史的経緯をまったく認識しないまま、わが国の国家主権を無視した発言が横行していることに強い憤りを覚える。

 タレントが、訳も分からぬまま思いつきの気分表明をし、それがわが国の世論を形成していくというのであれば、危険きわまりない。麻生総理は、2月の日露首脳会談で、ロシアのメドベージェフ大統領と北方領土問題を「新たな独創的で型にはまらないアプローチ」で解決させることで合意したという。さらに、麻生総理は、記者団に対し「こっちは4島、向こうは2島ではまったく進展しない。今まで通りに行っても解決しない。日露のいろんなことが領土問題で引っかかるから、問題の解決は必要だ。役人に任せず政治家が決断する以外に方法はない」とまで述べたという。

 こうした麻生総理の姿勢は、ただでさえ憂慮すべきものであるが、もしみのもんたの発言に象徴されるような不見識きわまりない言論に影響されるようなことがあれば、それは日本の自殺行為である。所詮みのもんたの発言だと侮ることなかれ。こうしたいい加減な朝の情報番組がいまの日本の世論を作っているのであり、「みのもんたの朝ズバッ!」こそは政治家や霞が関がもっとも恐れる番組になっているのだ。少なくとも政治家が真っ先に出たがる番組らしい。みのもんたの影響力は非常に強いものがあるのだ。

 麻生総理の北方領土問題に対する発言を見ていると、根本認識において、みのもんたと大差ない。冒頭に紹介した発言がなされた際に、その場にいたコメンテータはみな押し黙っていたという。司会者が怖いのか、そもそも彼らも北方領土問題の歴史的経緯や国家主権に対する認識を著しく欠いているのか、それは分からないが、誰も「とんでもない発言だ」と指摘することなく、平然とこうした言語道断の発言を垂れ流している。そういう日本の現状を深く憂慮するものである。
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