国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2009-04-08 09:21

(連載)金融サミットと日本がなすべき貢献(2)

角田 勝彦  団体役員・元大使
 G20のなかでG7の占める割合は依然として圧倒的に大きいが、新興国の発言権は、金融安定化理事会、IMF出資比率見直し2年前倒しなど、拡大される方向にある。ただし、今次金融サミットを主宰したブラウン英首相が、半年前に呼びかけた新たな世界金融の構造を決める「新ブレトンウッズ体制」策定は、夢の段階にある。世界最大の外貨準備を持つ中国が示唆したドルに代わる基軸通貨構想(SDR育成)も、先の長い話である。

 ともかく、4月2日の金融サミット閉幕後の記者会見でブラウン首相が力説したように、サミットは「前例のない規模の経済刺激策と協調」で合意した。とくに「協調」が重要である。

 日本は、今回の危機に際し国内景気対策のほか、IMFに対する最大1000億ドルの融資(中国はサミットで400億ドルの拠出を表明)、総額220億ドルの追加的貿易金融支援、最大2兆円のアジア向けODAなど合計15兆円の支援を打ち出し、国際貢献と協調の実を示した。

 次回金融サミットは、計画の進捗状況を確認するため年末までに開くことが決められている。麻生首相は「9月の国連総会に合わせ、ニューヨークで開かれる」との見通しを示した。世銀が2009年の日本の経済成長をマイナス5.3%(主要国中最悪)と予測しているだけに、国内景気対策に全力を注ぎ、経済回復を図ることこそ、日本の次回金融サミットへの課題となろう。(おわり)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム