まえがき
 

 当フォーラムのセミナー「海洋国家日本:その文明と戦略」(略称「海洋国家セミナー」)は、冷戦終焉後の世界において各国あるいは各地域が、一面においてグローバリゼーションの流れに身を委せつつも、他面においてむしろその故にかえって己のアイデンティティを再確認しようとしていることに注目し、昨年度第1期においては、「日本のアイデンティティは何か」というテーマを追究した。

 本年度第2期においては、その基盤の上に立って、「21世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ」というテーマにつき、1年間にわたり当フォーラム会員を中心に学界、言論界、政界、経済界など各界から26名のメンバー(巻末資料「第2期メンバー・リスト」参照)の参加を得て、4回の「自由討論会合」、東北・北海道方面への「海洋事情視察団」の派遣等の活動をおこない、さらに上記「自由討論会合」の成果を集大成する形で単行本『21世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ』(日本国際フォーラム叢書)を刊行した。

 この第2期「海洋国家セミナー」円卓報告討論会「21世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ」は、本セミナーの1年間の研究活動を総括する形で、2000年2月4日に東京で当フォーラムの会員を中心とした97名の参加者を得て開催された。
 単行本『21世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ』が席上配布されたため、この本を討議資料として、さらに突っ込んだ議論が行われることになった。

 本報告書は、この円卓報告討論会の成果を、その速記録を中心にとりまとめ、当フォーラム会員を中心とした関係各位のご参考に資するため、印刷に付したものである。
 なお、本セミナーの実施にあたっては、読売新聞社の協賛、日本財団の補助を受けている。この機会を借りて改めて感謝の意を表したい。    

2000年3月15日
[財]日本国際フォーラム
 理事長 伊藤 憲一

セッションIで基調報告する川勝平太メンバー(左より2人目

セッションIIで基調報告する田中明彦メンバー(右より2人目)

白熱した議論に耳をかたむける会場ゲストたち