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2007-01-02 01:01
科学記事にわかり易さと正確さを
今井隆吉
世界平和研究所研究顧問
日本の新聞社に科学部が出来て政治部や社会部と並び立つようになるには、東海村に原子力研究所が出来て、ウラン235にちなんで235億円の原子力予算がつく迄、15年かかっている。原子爆弾による広島、長崎の被害は当時は軍事機密扱いで、詳しい話は報道されなかった。むしろその当時は核爆発の話は出来るだけ伏せて、原子力平和利用という新しい「無限のエネルギー」が話題の中心であり、原子力発電から原子力自動車までが新しもの好きの新聞を賑わせたものである。戦争中に連合国で盛んとなった科学技術の長足の進歩が話題の中心であり、広島、長崎は軍事機密だった感がある。ジュネーヴでの国連主催の原子力平和利用国際会議が人気の中心で、核融合の実現も間近かという雰囲気だった。
科学記事とは言え新聞報道だから、細かい科学技術の内容よりも人目をひく「新技術」が大きく扱われるのはやむを得ない。科学技術の内容よりも「見出し」のほうが大きく扱われ、これは北朝鮮、イランの核に関する今日の報道でも同様である。テレビのニュースを聞いていると常に見出しが先行し、科学技術の内容はごく一般的な事柄にしかスペースがさかれていない。世間に出廻る新聞は学術書ではないのだからこれは当然のことかも知れないが、出来ればもう少しわかり易い解説が欲しいものである。
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