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2006-07-05 13:04
「日中中間線」の日本側水域におけるガス田開発を進めよ
山下理恵子
高校教員
第28政策提言「変容するアジアの中での対中関係」第3回政策委員会メモを興味深く読ませていただきました。政策委員会では東シナ海のガス田開発問題についても話し合われたようですが、「この問題は領海問題なのか、資源問題なのかきちんと整理する必要がある」との発言があったことは紹介されていますが、それ以上どのような議論があったのかは、紹介されていません。そこで、この場を借りて、私見を述べさせていただきます。
私は東シナ海問題の本質は「領海問題」であり、「資源問題」の側面は付随的だと思います。今年3月の日中局長級協議で中国側は日本の排他的経済水域(EEZ)内である尖閣諸島の北側の海域における共同開発を提案してきましたが、これは明らかに中国側の時間稼ぎです。日本が受け入れられない提案をすることで交渉を長引かせ、その間に東シナ海でのガス田開発の既成事実をつくり、最終的に日本をして中国の領有権主張を認めさせることが狙いであると思われます。
中国はフィリピンやベトナムなど東南アジアの国々とも南沙諸島、西沙諸島をめぐって領有権争いをしながら、結局は強引に実効支配を固めました。このままでは日本が領有権を主張する尖閣諸島が同じ状況に陥ることが危惧されます。日本の取るべき立場は、「中国が譲歩しないなら、日本も独自に調査・開発を推し進める」という立場の表明です。
かつて日本政府は「日中中間線」の日本側水域でガス田開発を行う方針を決め、帝国石油に試掘権を許可しました。私はこれは日本として当然の決定であり、中国に対する強力な牽制になったと思っていますが、その後当の日本政府は担当大臣の交代と同時にこの試掘権を凍結しました。大変残念な方針転換でした。次の政策委員会では、この問題について徹底的な議論を交わしていただきたく、第4回政策委員会の結果報告を心待ちにしております。
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