理事長挨拶


Hashimoto Hiroshi, President

東西冷戦がいまだ続いていた1987年、冷戦の終焉とそれに伴う新時代の幕開けを予期した各界の有志が、国際社会における日本の進路と役割について真剣な議論を重ね、民間の立場から積極的な提言を行うための政策シンクタンクの必要性を認識し、日本国際フォーラムを設立しました。以来、当フォーラムは、日本の取り組むべき重要な外交的課題の分析と世論喚起に向けて、これまでに37にのぼる政策提言を発表する他、日本内外でのシンポジウムを開催し、また幾多の研究プロジェクトを実施してまいりました。これらの活動成果を世に問い、国内外から高い評価を得ることができましたのは、故大来佐武郎初代会長、故服部一郎初代理事長はもとより今井敬第2代会長および伊藤憲一第2代理事長・現会長とともに、会員の皆様から一方ならぬご尽力をいただいた賜物です。こうした伝統と成果を踏まえ、今後とも日本国際フォーラムの発展に積極的に貢献していくことが理事長としての第一の責務であると心得ます。

国際社会は、冷戦終焉に伴い、米国による一極支配の世界から多極支配を経て、現在では無極支配とも呼びうる段階へと変遷してきております。その中で、米国の「世界の警察官」的立場からの相対的な後退、中国やロシア等の新興国の台頭とそのゲーム・チェンジャー的行動、北朝鮮の核・ミサイル開発・実験等の挑発的行為、世界各地でのグローバル・テロの頻発、欧米先進民主主義国における社会的経済的不満の増大に基づく一国繁栄主義の動きなど、これまでの国際秩序を大きく揺るがす現象が続き、それらの着地点がいまだ見出しえない状況が続いています。皆様とともに、流動的な国際情勢を冷静に分析し、「日本の進路と役割について真剣な議論を重ね、積極的提言を行う」との設立以来の使命を持つ当フォーラムの果たすべき役割は、従来にも増して高まっていると確信します。

今年は、当フォーラム設立30周年の節目となりますが、私どもは、引き続き、民間のシンクタンクとして世界と日本の平和と繁栄の増進に貢献するため、強い意思と意欲を以って活動を強化していきたいと考えます。その一環としてホームページなどの情報メディアを活用し、内外世論に対し、より効果的に働きかける努力を重ねていきたいと考えます。

何卒、みなさま方の倍旧のご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

2017年6月
代表理事・理事長 橋本 宏