今回の提言は、①グローバル化・情報化の世界的趨勢、②日本の国際貢献強化の必要性、③個人の役割の増大、の3つの国際環境の変化を踏まえて、今後の日本の対外関係のあり方として、文化や教育の重要性を指摘し、そこから形成される日本のソフト・パワーの育成、強化の必要性を訴えている。 具体的には、「国語教育の充実を図れ」「古典と芸術を尊ぶ教養人を育てよ」「基本的知識と技能を強制的に学ばせよ」「機会均等と応能教育を両立させよ」「大学は国際競争力を持て」「新しい文化を育成せよ」「個人主義と社会・国家意識を両立させよ」「文化を対外戦略の資源とせよ」「対外交流の催事を準備せよ」「ソフト・パワーを担う人材を育成せよ」の10項目を提言した。 本提言は、袴田茂樹政策委員(青山学院大学教授)を主査とするタスクフォースが起案し、伊藤憲一政策委員長等81名の政策委員が署名した。 本提言については、時事、AFP両通信社がニュースとして内外に配信したほか、『読売新聞』『The Japan Times』等各紙が報道し、雑誌『世界週報』はその全文を掲載、報道した。 さらに、『読売新聞』は12月23日付第12面全面を使って、本テーマに関する「座談会」を特集した。「東アジアの大都市圏に住む中産階級の間に共通の生活感覚が広がり、日本発のカルチャーが憧れの的になっている。これは日本のソフト・パワーだ」(伊藤政策委員長)、「創造的な文化活動、社会活動には基礎的な力が必要だ。ゆとり教育、個性教育の名の下に基本を疎かにしてきた教育には懸念を感ずる」(袴田タスクフォース主査)、「文化を外交の主要事項に位置づけるべきだ。交流拠点作りに資金を出し、世界中の若い頭脳や才能を日本に呼び込み、日本社会の中で才能を開花させることが重要だ」(近藤誠一外務省広報文化交流部長)などと語りあった。 本提言は、日本語、英語双方で、ウェブサイト(http://www.jfir.or.jp)に紹介されている。 第27提言スタート
「国際エネルギー安全保障体制の構築」
当日は、内藤正久TF主査(日本エネルギー経済研究所理事長)のほか、十市勉、田辺靖雄、小山堅、永原伸のTFメンバー4名および事務局員3名が出席し、「エネルギー安全保障とは何か、またそれに対する脅威とは何か、まずそれを定義する必要がある」「エネルギー問題に関しては『安全保障』と『持続性』を表裏一体の問題として認識し、これらを同時追及する必要がある」「地理的には米国、中国、ロシア、中東諸国が、現象的には原油価格の高沸、国際投資情勢、環境問題などが、重要な問題となる」などの活発な意見交換が行われた。 なお、第1回政策委員会は、5月11日(水)に開催予定。 第26提言
「新しい脅威と日本の安全保障」審議進む
当日は、佐瀬昌盛タスクフォース主査から、これまでの2回にわたる政策委員会での議論を踏まえて「政策提言中間案」が報告された。即ち、「今日の日本は、従来の脅威の性質が国際環境の変化などにより『更新』された脅威と、冷戦後に新しく脅威として認識されるようになった『新顔』の脅威の二種の『新しい脅威』に直面しており、これらを統一的に捉えて、日本の安全保障政策を脱・旧来思考的に再構成することが必要だ」との報告がなされた。 出席した政策委員は、伊藤憲一政策委員長のほか、次田雅俊、有馬龍夫、今井隆吉、甲斐紀武、木下博生、澤井昭之、永野茂門、袴田茂樹、森本敏、茂木賢三郎など14名であったが、タスクフォース提出の「中間案」については、「日本の防衛・安全保障を『国防』と『海外任務』に二分する考え方だと、『海外任務』は『国防』でなくなるが、それでよいのか」「米軍の世界的再編(トランスフォーメーション)の動きのなかで、今後の日米同盟のあり方をどうするか、もっと言及すべきだ」「中国の脅威について、台湾海峡問題との関連における脅威と年々成長する大国としての中国の脅威を区別すべきではないか」などの活発な議論が行われた。 「外交円卓懇談会」開催
アンドリュー・スミザーズ氏を招き
当日は、ロンドン、ニューヨーク、東京の3市場に通暁し、国際的資産運用のアドバイザーとして著名なSmithers & Co.会長のアンドリュー・スミザーズ氏をゲストに招き、「失われた10年から日本は何を学ぶべきか?――いまだに解決しない日本経済の構造的な問題と今後の展望」と題して、報告をして頂き、その後、行天豊雄、柿澤弘治、三好正也、坂本正弘、和田仁、大木浩、伊藤憲一など9名の出席者との間で活発な意見交換を行なった。 第27政策提言「国際エネルギー安全保障体制の構築」に取り組むにあたって
最近のエネルギーを巡る国際潮流は「安全保障」と「持続性」に集約される。「安全保障」は9.11国際テロ以降、世界的なパラダイム・シフトが定着する中で、石油等の価格高止まりが続くため、その必要性がより現実味を帯びている。 その原因として「アジア」需要の急拡大と供給面での「先進国地層のピークオイル傾向」や「産油国の地政学リスクの継続」が特筆される。「持続性」は、京都議定書の発効を踏まえて「地球環境の保全」と「効率的エネルギー消費」の同時解決を求めている。 最近の「エネルギー安全保障」は軍事的安全保障にまで広がりをみせ、従来の「安定供給」論より格段に広い視野を必要とする。産油国や輸送経路の安定度、中国・インドのエネルギー国家戦略、国際政治の趨勢等が決定的な意味を持つ。さらに、地球環境への対応や技術進歩のような長期動向の分析も必要である。 もちろん、「市場」の現状と将来展望がその根っ子にある。 エネルギー種別についても、石油等の外に原子力と石炭の役割が益々重要である。特に原子力は核拡散防止やテロ対策も含め、問題を一層複雑にする。このような広がりを考えると日本とアジアの今後の政策のあり方に議論を収斂させるのが適当かとも考えられる。多数の有力な参加者のご意見に沿って取りまとめてゆきたい。 財務委員会開催さる
恒例の新年会をかねた第18回財務委員会が1月14日開催された。 冒頭、今井敬財務委員長より年頭の挨拶があった後、伊藤憲一理事長より事務局経費の節減を中心にした支出削減努力や法人正・準会員の入退会状況の分析を踏まえた収入確保努力について報告があり、2004年度収支決算の見通しについて、委員間で熱心に議論が交わされた。 当日は、他に市川伊三夫、今村治輔、服部靖夫、藤澤義之、茂木友三郎の5財務委員が出席し、相変わらず厳しい経済環境の中で当フォーラムの財政基盤をいかに維持し、強化していくかについて、知恵を出し合った。 なお、伊藤理事長から、兼任していた日本紛争予防センター理事長を昨年末で辞任したことが報告された。 政策委員 奈須田 敬
漱石の「春は眠くなる。・・・・人は借金あるを忘れる」の逆で、現代人は日常の怱忙に追われ、過去を忘れ歴史をないがしろに扱うこと夥しい。そこで太平の眠りを覚ます外交実話を二つ。 (並木書房会長)
国際政経懇話会
吉川中東アフリカ局長を迎えて
1ヶ月半後にイラク国民議会選挙を控えたタイミングのなかで、「イラク問題は、パレスチナ、イラン、サウジアラビア等の周辺諸国を含めた中東全体の近代化や世代交代の動きの中で考える必要があり、日本はその復興を支援することが重要な課題だ」との講話があった。 その後、今井敬、伊藤義郎、歌田勝弘、大河原良雄、大宅映子、柿澤弘治、金森久雄、グレン・フクシマ、田久保忠衛、中村公一、服部靖夫、茂木賢三郎、屋山太郎、伊藤憲一など25名の出席者との間で懇談が行なわれた。 「安全保障分野における知的交流」研究会スタート
1月20日に「安全保障分野における知的交流」研究会が新しくスタートし、福島安紀子総合研究開発機構主席研究員、佐島直子専修大学経済学部助教授、星野俊也大阪大学大学院国際公共政策研究科教授、岩間陽子政策研究大学院大学助教授(いずれも当フォーラム個人正会員)が研究会メンバーに、古賀慶当フォーラム研究員が研究会事務局長に就任した。 同研究会は、日欧の安全保障分野における研究者間の対話を促し、その知的ネットワークを構築することを目的としており、①NATO・EU拡大後の欧州安全保障の変化とアジアの安全保障にとっての意味、②テロ、WMDなどの共通の脅威への欧州、アジアの取組みの現状と協力の可能性、の2つのテーマを中心に、対話を重ねる。 現在までに、福島メンバーがイギリス、フィンランド、ベルギー、オーストリア、オランダの5カ国を、岩間メンバーがフランス、ドイツ、ベルギーの3カ国を、佐島メンバーがイギリス、ルーマニア、イタリア、スペインの4カ国を、それぞれ訪問し、欧州各国の安全保障専門家と議論を交わした。今後は、星野メンバーがセルビア・モンテネグロ、フランスなどを訪問する。 3月下旬には、研究会報告書を取りまとめるとともに、研究会としての報告会を開催する予定。 ■人事
(12-3月分、入会・就任順) ■新規入会会員の紹介
■新規就任委員の紹介
理事会・評議員会開催さる
理事会、評議員会は、2005年度「事業計画書案」および2005年度「収支予算書案」を審議、承認したが、理事会は、さらに亀崎英敏三菱商事常務執行役員を新評議員・新財界人政策委員に、甲斐紀武前チュニジア大使を新参与に、佐藤行雄、進藤榮一、橋本宏、福島安紀子等9名を新有識者政策委員に、また江利川毅内閣府事務次官、日下一正経済産業省経済産業審議官、藪中三十二外務省外務審議官を政策委員会参与に、それぞれ選任し、または委嘱を承認した。 外務省による「公益法人立入検査」
実施さる 公益法人については、民法および省令(当フォーラムの場合は、外務省令)により3年毎の「立入検査(定期検査)」が義務づけられているが、当フォーラムについても、さる12月16日に3年ぶりの立入検査が実施された。 当日は、外務省総合政策局政策企画室より2名の事務官が当フォーラムに派遣され、①法人の業務の運営状況、②事業の内容および実施状況、③会計処理・収支・資産の状況、④予算および決算の状況について、それらが「公益法人の設立許可および指導監督基準」に適合しているか否かにつき、現場検査が実施された。 1月24日付けで通知を受けた「立入検査の結果」によれば、上記①~④のすべてにつき「A(改善の余地がないもの)」との総合的評価を得ることができた。今後とも努力を続けたい。 フォーラム活動日誌(12-2月)
事務局便り
昨夏8月に、日本国際フォーラムの8階「分室」に、大会議室がオープンしたことは既報のとおりですが、その後これまでホテル等の外部施設を使っていた会議が、次々とこの大会議室で開催されるようになり、会議室賃借料の節約効果も出ているようです。 運営委員会、監事会、各種の研究会、記者会見などの小集会はもちろんのことですが、最近は政策委員会や理事会・評議員会のような本格派の会議も大会議室で開催されています。 また、来日する外国人オピニオン・リーダーとの意見交換を目的とする外交円卓懇談会は、この大会議室オープンにあわせて企画、新設されました。 |
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