日本側からは、チーム・リーダーの添谷芳秀慶應義塾大学教授のほか、チーム・メンバーの中西寛京都大学教授、伊藤剛明治大学助教授、神保謙当フォーラム研究主幹がパネリストとして参加したが、米側からは、ヘンリー・ナウ、ジェームズ・ゴールドガイガー両ジョージ・ワシントン大学教授のほか、ジョン・ガロファーノ海軍大学教授等多数が参加した。当日は、大統領選の前日にも関わらず、ワシントンの地の利もあり、シンクタンク関係者、学者、研究者、政府関係者など、約90名が出席し、質の高い議論が展開された。 添谷教授より研究成果の報告につづき、日米共同で策定した「政策提言」の内容が発表されたが、「政策提言」は、9.11後の国際関係の下で日米同盟の扱う領域が「グローバル化」「多元化」していることを踏まえ、日米両国がアジア・太平洋地域、さらにはグローバルな領域で「安全保障共同体」の形成に寄与しなければならないことを強調し、そのためには日本の安全保障政策の前進が必要であり、1996年の「日米安保共同宣言」はもとより、「日米安保条約」それ自体も改定を検討しなければならないと問題提起した。 これに対し会場からは、「朝鮮半島や台湾海峡の問題を考えれば、『東アジア共同体』構想は、時期尚早ではないか」「日本の安全保障政策にそれほど急進的な変化が期待できるのか」など、多数の質問が提起されたが、「中長期的な同盟関係を支える論理として『安全保障共同体』の概念が提案されている」「日米二国間関係の深化と同時に、アジア太平洋のその他諸国との関係強化も重要だ」「グローバルな領域での日米関係強化が日本の政策体系を変化させる」などの説明がなされた。 第27提言テーマ決定さる
「国際エネルギー 安全保障体制の構築」
少子・高齢化の問題も看過できないが、国際性の観点、ならびに提言時機が2006年初頭になることなどを考慮して、中東を念頭に置いた供給・生産側面と需要が急拡大する中国を念頭に置いた需要・消費側面を意識しつつ、テーマを「国際エネルギー安全保障体制の構築」とし、運営委員会として政策委員会に提案することが了承された。 ついで、個人正会員の中から、川上高司、佐藤行雄、福島安紀子、甲斐紀武、進藤榮一、伊奈久喜、今川幸雄、橋本宏の8氏を新しく有識者政策委員として理事長に推挙することで意見が一致した。 第25提言
「世界の中の日本:その文化と教育」最終案採択さる
当日は、袴田茂樹タスクフォース主査のほか、伊藤憲一政策委員長、井上明義、秋山昌廣、有馬龍夫、柿澤弘治、澤英武、田中靖政、永野茂門、吉田春樹、吉冨勝等23名の政策委員が出席した。 冒頭、袴田主査から政策提言最終案が提示され、「ソフト・パワーという概念を基礎に、世界の中の日本といった枠組みで文化・教育をテーマにこの提言を執筆した。国際的に魅力的な人間をいかに日本で育むかが、本提言の根底の問題意識となっている」などの補足説明が行われた。 その後、出席政策委員からは「グローバル化が進む中、日本人が今後自らのアイデンティティをどのように形成していくかだ」「ソフト・パワーの強化だけでなく、それを行使できる能力の育成も重要だ」などの意見が活発に出された。議論一巡のあと、政策提言最終案は、この日の審議内容を反映して政策委員長と主査が必要な修正を加えることを条件に、可決、採択された。 「外交円卓懇談会」開催
林中斌前台湾国防 副部長招き
11月9日、当フォーラムは、グローバル・フォーラムとの共催で第6回「外交円卓懇談会」を開催した。前台湾国防部副部長で、現在中華欧亜基金会執行長の林中斌氏をゲストに招き、「今後の両岸関係の政・軍両面の展望」をテーマに報告をして頂き、その後出席者との間で質疑応答を行なった。
「外交円卓懇談会」開催
9月6日、当フォーラムはグローバル・フォーラムとの共催で第2回「外交円卓懇談会」を開催した。イスラエル政治問題研究所副所長のヤアコブ・アミタイ氏をゲストに招き、「9.11後の中東情勢とイスラエルの立場」をテーマに報告をして頂き、その後出席者との間で質疑応答を行なった。 当日の当方出席者は、明石康、猪口邦子、岩間陽子、行天豊雄、長谷川和年、伊藤憲一など14名であった。 第26政策提言
「新しい脅威と日本の安全保障」審議進む
当日は、伊藤憲一政策委員長、佐瀬昌盛主査のほか、今井敬、吉崎達彦、有馬龍夫、今井隆吉、坂本正弘、左近允尚敏、澤井昭之、白川浩司、堂之脇光朗、鍋島敬三、屋山太郎等16名の政策委員が出席した。 まず、柳澤講師より「本年10月に発表された『安全保障と防衛力に関する懇談会』(荒木浩座長)の報告と日本国際フォーラム政策委員会の『コンセプト・ペーパー』を比べると、基本的な方向性は近いものの、後者はその戦略環境認識において『更新』と『新顔』の脅威を指摘するなどより具体的であり、『安保政策の複線化』が必要だとする認識も正確だ。今後『基盤的防衛力』の意味も変質を余儀なくされるだろう」との基調報告がなされた。 続いて、出席政策委員より、@中国の海洋進出の動向、A朝鮮半島情勢の推移、B日本の文民統制の現状と問題点、C日本の情報機能の問題点等につき、意見やコメントが続々と出された。 政策委員 木村 汎
この決定は、日本の北方四島返還要求にとり、プラス、マイナスどちらに働くのか? まずマイナスに働くと考える者は、説く。国境線の決定には双方の妥協が必要。その最終的な妥協は、ロシア語でいう「パパラム(折半)」方式となる。このことを現時点の日ロ間で争われている2島か4島かの論争にあてはめると、どうなるか? 日本が歯舞・色丹の2島、ロシアが国後・択捉の2島、あるいは日本側が歯舞・色丹・国後の3島、ロシアが択捉の1島を手中に収めるべきこととなる。 この第1説の誤りは、次の点を都合よく忘れている点にある。サンフランシスコ講和条約に調印していないロシアにたいして、日本は北方4島を除く残りの18の千島列島や南樺太をも交渉対象とすることが不可能ではない。それにもかかわらず、これらの領土を先にロシアにたいして譲った。これは、日本側による「折半」以上の譲歩であろう。 今度の中ロ国境画定は、逆に日本に有利に働く。こう考える者は次のように説く。ロシアは、己が北方四島返還に熱心となりえない理由として、「パンドラの箱」理論を唱えてきた。もしロシアが日本に領土返還を行うならば、日本以外の諸国もロシアにたいして同様の要求を行う。このような波及効果を危惧する、と。また、仮に大統領が日本との間で合意に達しても、おそらくロシア議会や国内世論がその決定を認めないに違いないだろう、と。 ところが、今度の中国との国境線画定は、以上2つの理屈が日本との国境線画定を回避しようとしてロシア側が用いる口実ないし詭弁であることを暴露した。議会、世論、中ロ国境付近の知事はプーチン大統領によって完全に押さえ込まれており、同大統領の決定にたいして何ら反対しえなかったからである。私は、第二説の主唱者である。 神保謙研究主幹参加
「東アジア地域主義」会議 「東アジア共同体」構想が世界の注目を集めるなかで、中国社会科学院の主催する国際会議「東アジアにおける地域主義」が10月21〜22日に北京で開催された。 この会議には、東アジア諸国のみならず、米国、カナダ、豪州、インドなどからもパネリストが参加したが、日本からは神保謙当フォーラム研究主幹がパネリストとして参加した。 東アジア地域主義の独自性と可能性をどのように捉えるかをめぐって、1980年代のオープン・リージョナリズムとの比較論など、活発な議論が熱心に展開された。 国際政経懇話会
グレン・S・フクシマ氏を迎えて
講師には、かつて米国通商代表部で対日通商問題に携わり、現在は日本NCR社共同社長を務めるグレン・S・フクシマ氏を迎え、1ヶ月後に迫った米国大統領選について、「米国大統領選と日米関係」のテーマでお話を伺った。 前日米国から戻ったばかりのフクシマ氏は「共和党政権になっても民主党政権になっても、日米関係はある程度の安定性があるため、中身そのものは変わらないが、外交スタイルは異なるものになるだろう」と述べ、その後出席者の質疑に答えた。 出席者は、秋元勇巳、井上明義、茂木賢三郎、立石信雄、田久保忠衛、伊藤憲一など16名であった。 TCOG共同研究
「日米韓ワークショップ」 当フォーラムは、米国のタフツ大学フレッチャー・スクール外交政策分析研究所(IFPA)および韓国の延世大学外交大学院(GSIS)との三者共催で「日米韓三国調整グループ(TCOG)の役割」と題する共同研究プロジェクトを実施しているが、このほど米国からIFPAのジャックリーン・デイビス副所長、チャールズ・ペリー研究部長およびジェームズ・ショフ主任研究員が、また韓国からGSISの李正民教授が来日し、11月18日には当フォーラム会議室にて伊藤憲一理事長兼所長や神保謙研究主幹らと、「日米韓ワークショップ」を開催した。 ■ 人 事
■事務局人事
[事務局長] 1月1日付け 桐山 健 (事務局長心得) ■新規入会会員の紹介
(9−11月分、入会順)
「新しい対テロ抑止政策」を提案
研究会報告書完成 当フォーラムが実施してきた研究プロジェクト「日本の対テロ政策」研究会(リーダー神保謙当フォーラム研究主幹、メンバー高橋杉雄防衛庁防衛研究所助手、古賀慶当フォーラム研究員補)は、このほどその研究成果を報告書に取りまとめた。 同研究会は、「『先制行動』論における先制行動の基準、実施方法、事後評価については、国際社会においていまだコンセンサスが得られておらず、テロリズムに対する『抑止理論』も未整備なままである」との問題意識から出発し、「対テロ『有志連合』の可能性と限界」「地域的枠組みによる対テロ協力体制の可能性と限界」「日本国内における対テロ情報共有体制構築の展望」等のテーマ毎に研究を進め、これまでに6回の研究会合を開催した。 「テロリズムは抑止できる」という立場を踏まえ、結論として「先制行動」理論を超える「新しい抑止」理論を提唱している。「グローバル」「東アジア」「日本」の3レベルを捉えた「多層型対テロ抑止戦略」を日本の対テロリズム政策の機軸として提唱している。 中国・タイからゲストを迎え夕食会開催
11月12日夜に伊藤憲一JFIR理事長夫妻は、協議のため来日した中国の呉建民外交学院院長(前駐仏大使)、秦亚 清外交学院副院長およびタイのユーファ・クラングスワン・タマサート大学東アジア研究所長を自宅に迎え、歓迎夕食会を催した。当夜は、山田滝雄外務省アジア大洋州局地域政策課長、神保謙当フォーラム研究主幹なども同席し、夜が更けるまで東アジアの将来について夢を語り合った。 フォーラム活動日誌(8月−11月)
事務局便り
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