研究センター便り

「グローバル・ヘルス・ガバナンスと日本外交」研究会
概要

公益財団法人 日本国際フォーラム

 本研究会は2016年5月に、下記の主査・メンバーおよび目的のもと、当フォーラム内に組織された。定例の研究会合に加え、海外調査や国内外のしかるべき有識者および各種共催機関と意見交換等を行い、それらの成果を2017年3月に政策提言としてとりまとめ発表するものである。

【主  査】佐藤 禎一日本国際フォーラム上席研究員/国際医療福祉大学教授
【メンバー】五十嵐 中東京大学大学院特任准教授
池田 俊也国際医療福祉大学教授
小川 俊夫国際医療福祉大学大学院准教授
鬼丸 武士九州大学准教授
渡部 晃三JICA人間開発部保健第二グループ(次長兼グループ長)

(名字五十音順)

佐藤禎一主査

【目  的】

 本研究会の目的は、地球規模課題である感染症疾患および非感染症疾患などのグローバル・ヘルスに対して、アジアに焦点をあて、その地域制度および国別の体制の現状を調査・分析し、今後日本がイニシアチブをとりつつ、地域のガバナンス構築を行うための外交政策を提言することである。

 それを実現するには、まず、感染症疾患については、近年のエボラ出血熱のパンデミックによってその脆弱性が露呈された(イ)サーベイランス、(ロ)対応における意思決定、(ハ)状況に応じた機関同士の調整、(ニ)持続可能な対応を行う資金の確保、における緊急時および平時のガバナンスの現状と課題について調査・分析を行う必要がある。また非感染症疾患など他の保険・医療分野については、格差問題、高齢化問題、各種保険制度などを対象にしつつ、UHCの整備状況の調査・分析を行う必要がある。研究会合のようす次にそれらの対象となる地域制度については、日・ASEAN、ASEAN+3、日中韓を対象として実施する。なぜなら、これらの枠組みにおいては、すでに「日ASEAN健康イニシアチブ」やAPT保健開発SOM(APTSOMHD)による「ASEAN+3 UHCネットワーク」などの取り組みが始まっており、今後のガバナンス構築を主導していくものとみられるからである。また国別の対象としては、それらの地域制度に加わっている国を主な対象として調査・分析を行っていく必要があるだろう。なお他に、調査・分析をより有効なものとする点から、グローバル・ヘルスの取り組みに係る様々なアクター、例えばわが国のグローバル・ヘルス技術振興基金などの官民連携によるシステムやNGOなどの動向調査も行う必要がある。

 本研究会では、以上の諸点を踏まえて調査・分析を行い、ガバナンス構築の観点に留意しつつ、感染症、非感染症疾患に対するアジアの現状と課題について明らかにする。そして、そこで明らかになった現状と課題をもとに、アジアで構築すべきグローバル・ヘルス・ガバナンスのあり方、それに向けてのその短期的、長期的な方策などを示し、さらにその中でわが国がどのようにイニシアチブをとって推進していくことができるのか、その政策を提言として取りまとめることを目指す。