外交円卓懇談会

第134回外交円卓懇談会
「トランプとアジア:混迷する世界秩序におけるアジアの安定に向けて」(メモ)
外円懇のようす

2017年5月19日
公益財団法人日本国際フォーラム
グローバル・フォーラム
東アジア共同体評議会
事務局

 日本国際フォーラム等3団体の共催する第134回外交円卓懇談会は、ビラハリ・カウシカン/シンガポール外務省無任所大使を講師に迎え、「トランプとアジア:混迷する世界秩序におけるアジアの安定に向けて」と題して、下記1.~5.の要領で開催されたところ、その冒頭講話の概要は下記6.のとおりであった。

1.日 時:2017年5月19日(木)15:00~16:30
2.場 所:日本国際フォーラム会議室
3.テーマ:「トランプとアジア:混迷する世界秩序におけるアジアの安定に向けて」
4.報告者:ビラハリ・カウシカン/シンガポール外務省無任所大使
5.出席者:15名
6.講師講話概要
 ビラハリ・カウシカン/シンガポール外務省無任所大使の講話の概要は次の通り。その後、出席者との間で活発な質疑応答が行われたが、議論についてはオフレコを前提としている当懇談会の性格上、これ以上の詳細は割愛する。

(1)トランプ大統領就任後の国際秩序
 中国は、過去数年の間に急速に国力を増大させ、特に東アジア地域においてその影響力を高めている。しかし、米国は軍事面、経済面で今なお支配的な強国であり、中国の影響力が米国の影響力を凌駕することはしばらくないだろう。ただ、発言が一貫しないトランプ大統領の就任により、米国の外交政策がどのようになるのか、先行きが不透明になってきている。こうした米国の予測不可能性は、今後、中国主導による秩序を生み出す要因となりかねない。

(2)北朝鮮問題における米中の接近と日本の対応
 現在、アジアの地域秩序を不安定にしている主要な問題は、北朝鮮による核・ミサイル開発である。トランプ大統領は、この問題に対して中国を味方に引き込もうとしており、中国にとっても北朝鮮の核・ミサイル開発が自国の安全保障にとって脅威となっているため、米中間の接近がみられはじめている。こうした米中の接近は、中国を過小評価していたオバマ政権時にはみられなかったことである。今後、北朝鮮問題の解決には、石炭の輸出をはじめ、中国による圧力の強化が必要であり、それを中国がどこまで取り組めるかが重要である。
 いずれにしても、北朝鮮が今後も核の力で国際秩序を揺るがすであろうことは間違いない。トランプ大統領による外交政策は予測不可能なところがあるため、日本は米国に過度に依存しない独自の外交を行うべきであろう。

(文責在事務局)

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