外交円卓懇談会

第131回外交円卓懇談会
「中国からみた東アジアの海洋問題」(メモ)

2017年2月22日
公益財団法人日本国際フォーラム
グローバル・フォーラム
東アジア共同体評議会
事務局

 日本国際フォーラム等3団体の共催する第131外交円卓懇談会は、金永明(JIN Yongming)上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任を講師に迎え、「中国からみた東アジアの海洋問題」と題して、下記1.~5.の要領で開催されたところ、その冒頭講話の概要は下記6.のとおりであった。

1.日 時:2017年2月22(水)15時より16時30分まで
2.場 所:日本国際フォーラム会議室
3.テーマ:「中国からみた東アジアの海洋問題」
4.報告者:金永明・上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任
5.出席者:21名
6.講師講話概要
 金永明上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任の講話の概要は次の通り。その後、出席者との間で活発な質疑応答が行われたが、議論についてはオフレコを前提としている当懇談会の性格上、これ以上の詳細は割愛する。

(1) 中国の海洋政策における主な要因
 中国の海洋政策は、いくつかの要因に基づいて実施されている。一つ目の要因は、文化的および歴史的な背景があって進められているということである。例えば文化的背景としては、中国には「和」の文化、すなわち他者との協調を尊ぶ精神があり、一方的な対応を避けた海洋政策を進めている。歴史的な背景としては、そもそも東シナ、南シナ海の領土・領海問題には長い歴史があり、現在の状況によって安易に解決を図ることはしないということである。
 二つ目の要因は、中国国内では依然において海洋意識が低いということである。中国では、領土問題を含む海洋に関する諸問題を他国の海洋政策へのリアクションとして認識する傾向がある。

(2)中国の海洋政策における主なコンセプト
  以上のような要因から、中国は、東アジアにおける海洋問題に対して、以下の立場をとってきた。具体的には、次のようなコンセプトのもとで海洋政策を実施している。一つ目は平和性である。中国は周辺諸国と二国間協定を結び、それに基づいて海洋政策を考案している。なおその際には、現行の政治的アプローチによる対応を再考するとともに、政治や領土問題以外の海洋領域によるアプローチの可能性も考えている。
 二つ目は協力性である。海洋問題は他国を必然的に巻き込むため、すべての関係各国が何らかの利益を得られる構図をつくりだすことが理想である。このためには、各国が海洋問題に関して討議できるプラットフォームを構築することが必要である。
 三つ目は一貫性である。海洋政策は、一貫性のある長期的プロジェクトであることが不可欠である。そのためには、中国一国だけでなく、関係諸国についても利害関係の視点から考慮し、持続可能な外交関係を築く必要がある。

(3)中国は何をすべきか
 以上のような要因やコンセプトを踏まえ、今後中国の海洋政策はどうあるべきか。まず前提として、中国国内における海洋政策に対する政治的関心を高める必要がある。次に、危機管理メカニズムを構築し、共同開発・相互解決する方策を関係各国と共に協議する必要がある。これによって関係各国の海洋における規範を高めることができるであろう。

(文責在事務局)