外交円卓懇談会

第130回外交円卓懇談会
「欧州からみた日中関係」(メモ)

2017年1月30日
公益財団法人日本国際フォーラム
グローバル・フォーラム
東アジア共同体評議会
事務局

 日本国際フォーラム等3団体の共催する第130交円卓懇談会は、ラインハルト・ドリフテ(Reinhard DRIFTE)英国ニューカッスル大学名誉教授を講師に迎え、「欧州からみた日中関係」と題して、下記1.~5.の要領で開催されたところ、その冒頭講話の概要は下記6.のとおりであった。

1.日 時:2017年1月30(月)15時より16時30分まで
2.場 所:日本国際フォーラム会議室
3.テーマ:「欧州からみた日中関係」
4.報告者:ラインハルト・ドリフテ英国ニューカッスル大学名誉教授
5.出席者:22名
6.講師講話概要
 ラインハルト・ドリフテ ニューカッスル大学名誉教授の講話の概要は次の通り。その後、出席者との間で活発な質疑応答が行われたが、議論についてはオフレコを前提としている当懇談会の性格上、これ以上の詳細は割愛する。

(1)国際社会における日本と中国
 日本は、欧州にとって重要かつ信頼できるパートナーであり続けてきた。しかしながら、もし日本が過大な軍事拡張を行えば国際社会を大きく揺るがすことになり、それは歓迎されることはないだろう。中国は、近年経済的に台頭しているが、これがトランプ新大統領の先導する保護貿易主義と相俟って、これまでの国際秩序に大きな乱れを生じさせている。このような国際社会の現状の中で、日中関係は今後どのように発展していくのか。日中関係は、両国の政治、経済、社会およびメディアをはじめ、多くの要素が複合的に絡んでいるが、新たに就任したトランプ米新大統領の動向が、今後の日中関係をさらに複雑にするかもしれない。

(2)欧州からみる日中関係とは
 欧州の視点から日中関係を概観すると、特に領をめぐる争いに対して、侵略的な中国とそれに対峙する日本という構造にみえる。ただいずれにせよ、欧州としては、日中両国が対話を続け、安定した社会、政治関係を構築することを望んでいる。日中間の尖閣諸島をめぐる問題については、欧州のフェザント島の事例が参考になるだろう。フェザント島は、長きにわたるフランスとスペイン間の戦争の終戦条約として1659年に締結されたピレネー条約によって、両国の国境を流れるビダソア川にある同島を両国による「共有領土」として管理することとされた。この「共有領土」の概念は、尖閣諸島問題に応用することができるのではないか。尖閣諸島を日中の「共有領土」とすることで、政治、経済的利害が錯綜する両国の領土問題を解決に導くことができるだろう。

(3)日中関係改善への策
 日中両国は、両国関係の回復が、両国の政治経済に有益であり、さらにそのインパクトがアジア全域に及ぶことを忘れてはならない。両国関係を改善していくには、日中両国がそれぞれ自国のメディアから政治的イデオロギーを払拭し、中立的な見解を発信することが必要である。こうした中で、今後日中関係の発展で鍵となるのは、「soft element」と「hard element」のバランスをどうとるか、領土問題や軍事問題に関する考え方の行き違いをどう避けるか、現在から将来の日中関係の在り方へどうトランジットするか、である。

(文責在事務局)